
肺高血圧症とは、肺動脈の血圧が異常に上昇する病気のことです。この状態になると、血圧の上昇によって肺動脈の損傷を招くことになります。毛細血管の壁が厚くなり、血液と肺との間では、正常な酸素と二酸化炭素との交換が出来なくなってしまいます。
これにより、血液中の酸素濃度が低下してしまいます。酸素濃度が低下することで、肺動脈の狭窄を起こし、肺を循環している血管の血圧が更に上昇することになります。肺高血圧症になり、症状が悪化していくと、肺性心といわれる心不全を引き起こしてしまいますので、早期の治療が重要になります。
この病気の原因には、原発性と続発性の2種類があり、原発性の肺高血圧症の原因は明らかにはされていません。しかし、肺動脈の筋肉層の痙攣、萎縮などにより始まるといわれています。女性の方が男性よりもかかる確率が高いというデータがあります。一方、続発性の肺高血圧症は、肺への血液の流れを妨げる疾患などが原因で発症します。
中でも、慢性閉塞性肺疾患が一般的な原因となっています。一般的な症状としては、激しい運動をしたときに起きる息切れなどです。また、頭がくらくらしたり、狭心症のような胸痛が見られることもあります。十分な酸素が体の組織にいっていないために、脱力感を感じる場合もあります。
治療については、原因となっている肺疾患を治療するところから始めます。血管の拡張を促す薬を投与したりすることもあります。また、移植を行わないと2年から5年くらいでほとんどの人が死亡するため、肺移植は肺高血圧症の治療法として確立されたものとなっています。